指導、稽古 4
しつけ、正座

安岡正篤

しつけの知恵 多湖輝 海竜社



躾(しつけ)

人間としての在り方を美しく自然にするもの

 躾という字はうまく出来ている。
「身」という字を偏にして、
「美」という字を旁にした。
これは日本でこしらえた字でありますが、
まことによく出来た字です。
体をきれいにする。
人間としてのあり方、生き方、
動き方を美しくするものです。



正 座

ここぞと言うときの注意は、正座して聞かせる

 武道の世界では、
正座するということは、すぐには立てない、
動けないということから、
攻撃の意思のないことの表明だとも言われます。
立ち会いの前後に、
神妙に正座して礼をするのは、
勝負の公正を期すためとも考えられます。

いずれにしても、正座して面と向かうことは、
真剣な対峙の時間を作ることであり、場合によっては、
じっくりと腰を落ち着けて話し合うための形でもあります。

とくに
日常的な生活の中にない非日常性を演出することによって、
子供にただならぬ雰囲気を感じさせれば、
すでに言葉による注意が必要ないほど、
雄弁に叱咤や訓戒の効果は上がるのです。